楽農通信 No.60

Posted at 12:52 am in 笹井農場の「楽農通信」

今年も例年に劣らず、やりたい放題のお天気が続いている。

年の初めは、ほうきで掃けるぐらいの積雪だったのが、中旬になって降り続いた雪で、町の除雪費予算の底をついた。
屋根の雪やら周りの雪片付けに半月ぐらいの労力を費やした。
雪解けも遅れ、畑の片付け事も済まないうちからリンゴの花が咲き始め、花摘み作業が始まった。

幸か不幸か雨が降らなかったので毎日休むことなく働き続けて、ようやくここへきて例年の作業暦に追いついた。
我が家のラベンダー園のむらさき色のつぼみも伸びそろい、恒例になったラベンダー祭りを7月1日に予定して、みんなに案内を出した。

当日は、朝から全県に大雨警報発令。雨に打たれたつぼみは横に押し倒されている。
急きょ会場を我が家の中庭に移し、日よけのヨシズの上にビニールシートを張ってその下での宴会となった。
前日まで雨不足で乾き切っていた大地には恵みの雨となり、庭の草木も生気を取り戻し、祭りの主役となっている。
ラベンダー祭りと言っても、要は仲間と楽しく飲めればいいのだ。持ち寄った酒と肴はどれも逸品で、久々の雨音も身体にしみ込み、心地よい酔いがまわった。
翌日、雨が上がってラベンダー園に行ってみると、むらさき色のつぼみはちゃんと元どおりに立ち上がっていて一安心。
木陰に木のテーブルと椅子を置いて、ラベンダーが訪問客を待っている。

楽農通信

習い事

今年の3月いっぱいで村の大きな役が終わり、少しは時間が空くようになるかと思っていたが、なかなかそうならない。

年間100回以上在った出番が無くなるのだから、さぞかし暇になって、その穴埋めに何かをしようと思って、まだ役が終わらないうちに英会話の教材を買った。
温泉に入る猿で有名な地獄谷野猿公(こう)苑(えん)が近くに在って、冬になると考えられないぐらい大勢の外人さんがやって来る。
話しかけられると困るので、いつも目を合わせないようにしているのだが、それもなんだか情けない。そんな思いから始めてみようと思ったのだ。
届いた荷物が思いのほかに大きくて、開けるのは、役が終わってからにしようと、とりあえず棚の上に置いた。

料理なんかもいい趣味だと思って初心者用の料理本も買った。
この時期、魚売り場に出回る、青く輝く新鮮なイワシが、以前から気にかかっていて、いつかこいつをうまく料理してみたいと思っていた。
「初めてでも おいしく作れる魚料理」定番メニュー イワシの梅煮。
キャッチコピーが気に入った。

朝から一日雨が降りそうな日を待って作戦を開始。
午前中、隣町のスーパーで教本どおりの新鮮イワシ4匹を購入。昼飯を食べてから、定量の水をボールに入れ、昆布をつけてもどす。
出汁(だし)をとるなんてことも初めての経験だ。愛用の柳刃包丁でイワシの頭と、腹の硬いウロコの部分を切り落とし、内臓をかき出す。
水で洗って血合いを除いて水気をしっかり拭(ふ)いて下処理が完了。
手際が悪いから、あちこちに頭や内蔵、ウロコが散乱。ここで心を落ち着かせ、包丁やまないたを洗い、不要なものをきれいに片付けてフライパンを取り出す。
教本には、フライパンに昆布ともどし汁、梅干しを入れて中火にかけると書いてあるのだが、写真にはもうイワシが並んでいる。「どこでイワシを入れたんだ?」とかみさんに聞くと「そんなことは当たり前だから書いてないの」と言う。

初心者には、少々、適量、多め、少なめ、弱火、中火の加減が分からない。
煮立ったらアクを取り、調味料を加えてアルミ箔をかぶせ、弱火で15分、火を止めて冷めるまで置いてから器に盛り、庭の山椒(さんしょう)の葉っぱをあしらって出来上がり。
その日の晩酌の肴(さかな)と、家族の夕食の一品になったが、料理の手間の割には出来上がりの量が少なく、少し生臭さが残っていて評価はイマイチ。
その後、某有名メーカーの圧力鍋を買ってもらい、骨まで食べられるイワシの梅煮作りに挑戦。
今度はイワシを8匹に増やし、臭み消しにと生姜(しょうが)と山椒(さんしょう)をしこたま加えて後は教本通り。
結果は大好評。缶詰のように安心して骨まで食べられるのがたまらない。

それにしても半日がかり。
「これなら缶詰を買ってきた方がずっと簡単だなあ」と言うと、すかさず
「断然こちらの方がおいしいわよ!」とかみさんが言う。
「そうよ!分かった?」などと言われたら、立ち直れないところだった。
毎日の食事作りが、いかに合理的に手際よくなされているかを実感する。
家庭菜園、庭いじり、パソコン、オーディオ、ストレッチ、鍼灸(しんきゅう)などなど、
趣味にまで至っていない興味のある本が辺りに散らばっていて収拾がつかない。
見ないようにしている、あの棚の上の箱を、いつか開けることがあるのだろうか?
封を開けたら白い煙が!なんてことはないよネエ!

Written by support on 7月 21st, 2017