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楽農通信 No.68 土いじり   no comments

ついに私も高齢者枠にはまり、コロナのワクチン接種を2回済ませることが出来た。人間界のコロナも、収束の気配を見せないが、自然界のお天気も、やりたい放題 暴れ回っている。今年も暖冬で、せん定作業は楽ではかどったが、リンゴやモモの生育も早まり、心配の通りに何回も遅霜に遭った。雌しべが凍みて死んでしまったり、果実の皮がサビ(茶色のザラザラした傷)になったりで、売り物になるものが少ない。開花時期の早い自家用のアンズやサクランボ、梨などはいつもの年の1割も生(な)っていない。異常な暖冬は休眠打破(開花には一定期間の低温にさらされる必要がある)にも影響して、我が家の庭のソメイヨシノも、いつ満開ということもなく、ダラダラと咲いていたが、 リンゴも同じで、花摘み作業をしているのに、まだ硬い蕾があったりして生育がそろわない。年々どうなっていくのやらと案じていたら、6月16日の午後、雷と共に数分間、雨に交じって雹(ひょう)が降った。一番陽の当たるいい場所のりんごたちが凸凹になった。夕立や降雹は、馬の背を分けると言われるように局地的で、モモの畑は免れた。露天で営む百姓仕事は、なんでも受け入れることが仕事だ。元気でいれば何とかなる。

土いじり

多趣味な友人が、Facebookに「久し振りに土いじりをしました。」と言って、ろくろで作ったマグカップの写真を投稿した。あれ、「土いじり」って、このことだったっけ?と思って辞書で調べてみると、つちあそび。庭木の手入れや草花づくり。庭いじり。とある。これも立派な土いじりだったのだ。

こちらは庭いじり。我が家の縁側の向こうには50~60坪ぐらいの庭がある。回りに、モミジやリョウブ、マルバノキ、カツラなどが植わっている。その内側には、一人でやっと持てるぐらいの石を40~50個、飛び石のように散らせて置き、そのまわりに丈の低い植物を植えて地面を覆っている。そこが私のお気に入りの「土いじり」の舞台だ。好きで増やしたいのはイブキジャコウソウ。日向を好む、背が低い、香りがいい、適度な増え方、抜くのが楽、ということで非の打ち所がない。現在、庭の40%ぐらいを占めている。時々株分けをして増やしているが、まだ間に合わないところは、とりあえずマンネングサで土を覆って雑草を防ぐ。マンネングサはよく増えるし簡単に抜ける。スミレやツボサンゴ、フウロソウ、サギゴケなんかも丈が低くて地面を覆う。小さいながらも花の時期には目を引く存在だ。

気の毒だが、目の敵(かたき)として抜かれるのは、メヒシバやスズメノカタビラなどのイネ科の植物、ドクダミ、ハルジオンなどだ。

晴れた日は、畑仕事が終わったら風呂に入り、縁側に座って晩酌をする。そのうちにグラス片手に庭に降り、飛び石を巡っていると雑草が目に入る。いたたまれず草取りガマを取りに戻り、出陣となる。

始めのうちは手を汚さないようにとカマを使って取っているのだが、抜きかけた根っこが切れたりすると、すかさず地面に指を突っ込んで引っ張り出す。そのはずみにグラスの焼酎がこぼれたりもする。寄る年波、小便が近くなり、もようしてきたり、焼酎のグラスが空になったりするが、右手は泥だらけ。しかたなく外の水道で手を洗い、用をたして、また草取りに出る。今度こそ手を汚さないようにと思うのだが、またすぐに泥だらけ。まさしく草取り神に取り付かれている。晴れた夕暮はいつもこんな感じで土(・)い(・)じ(・)り(・)。

たまに行事でみんなが集まると、孫たちが、爺(じじ)が丹精込めた庭の草花をけちらして駆け回る。それを目を細めて眺めるほどに、爺(じじ)も成長した。

コロナの影響もあって、いろんな行事や会議も無くなって飲み会も無い。

毎日、毎日、家での晩酌。かみさんには家計費の酒代がかさむなどと指摘を受けるが、飲み屋で飲んだことを考えれば安いものだ。まして肴(さかな)は赤い夕日と香る草花。

ささいな楽しみだが、飲み過ぎには注意。 ♫分かっちゃいるけど やめられねえ~

Written by support on 8月 23rd, 2021