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ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義   no comments

Posted at 5:27 am in イベント情報,矢崎栄司

ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義  千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクウェア」東京千代田区にある「ちよだプラットフォームスクウエア」で月1回、ウッドデッキ部分を使用してNPO法人農商工連携サポートセンターが主催する「ちよだ青空市」が開かれています(第1水曜日10〜16時)。2010年秋から始まって、2012年7月でちょうど20回目を迎えました。

出店者は各地の環境や自然との共生、食の安全などに意識の高い有機・無農薬栽培農業者中心で、地域産品の開発をサポートする団体や自治体の出店もあります。(ちよだプラットフォームスクウエアはSOHOオフィスの拠点ビルとなっており、周辺ビルのアネックスも含めると約300社を超える小規模事業所のオフィスがあり、なかには島根県海士町、山形県南陽市、三重県伊賀市などの自治体もオフィスを構えており、こうした地域では自治体が地域産品を出店することもあります)

出店者数は毎回15軒ぐらいで多いときで20軒。総来場者数は、雨や寒さなど天候・季節によって左右されますが、最大で1000人、最少だと300人程度で、一般のマルシェから比べると、めちゃ「ミニマルシェ」です。

ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義  千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクウェア」私は、事務所がすぐ近くで、このNPO法人の方々と知り合いだったこともあり、第1回からほぼフル出店しています。当初の出品物は富士朝霧高原「酒井農園」の放牧豚手づくりハムで固定ファンがつき、いつも売り切れていましたが、生憎酒井農園が震災時の火災の影響で休業したことから、昨年春以降は神奈川県平塚市で養豚・ハム製造の一貫生産をしている「湘南ぴゅあ」の無添加ハム・ベーコン・ソーセージ類、無肥料自然栽培農産物(野菜・豆類など)、国産コーヒー(沖縄コーヒー)などを出してきました。また、冬期(12〜3月)はビジネススクール同期修了生の板垣弘志さん(山形県鶴岡市)といっしょに、板垣さんが生産する有機・特別栽培米「つや姫」や切り餅を販売し、餅つきイベントも行ってきました。

ちよだ青空市の来場者は約70%が女性で、購入者の約50%が30〜40代の女性(OL)、次いで60代以上の女性(地元住民)、20代女性(OL)の順となっています。男性来場者は主に20〜30代の若い人です。売上げ規模は最高で80万円、最低で40万円程度で、来場者数同様天候に左右にされます。

売れ筋商品は季節のフルーツ(イチゴ、ブドウ、洋梨ほか)、有機栽培の塩トマトほか旬の野菜類など生鮮品、漬物(おばあちゃんの秘伝の漬物とか)、国産小麦のパウンドケーキ、野菜ケーキなど原材料・製造方法にこだわった菓子類などで、無添加キムチ、有機栽培ニンニク原料の黒ニンニクなどは根強いファンがついています。スポット出店でしたが、和歌山県北山村のじゃばら酢を使ったサンマ寿司、福島県会津坂下町で家畜福祉(アニマルウェルフェア)を実践する「やますけ農園」の自然養鶏卵なども人気がありました。1回(1日)の売上げトップは山梨県勝沼のブドウ園「ぶどうばたけ」で約15万円を売り上げました。これまでの年間トータルの売上げトップは、無添加ハム・ベーコン類および有機・特別栽培米「つや姫」を販売した私と板垣さんのコンビだったようです。

いま、このオフィス街の新旧入り交じったビルの谷間の小さなスペースで開催される小規模青空市が注目を集めています。その理由は、小規模であることと、主催者が出店者よく知っていること、来場者の特性がはっきりしているということにあります。

ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義  千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクウェア」この青空市では、特定層の購買・商品選択傾向が明確となり、マーケティングや新商品等のテスト販売にも有効で、小規模ゆえに来場者とのコミュニケーションを図りやすく、出品者同士のつながりができやすい、さらには主催者からのフィードバックも早いという利点もあります。

来場者の多くが、初めての商品については表示ラベルを見て、使われている原料や製法を確認して購入しており、香料や保存料、着色料などを使用している商品はほとんど売れていません。一方で、高品質商品はスーパーなどでの一般品と比較してかなり高額でも売れています。

ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義  千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクウェア」たとえば、前出の「やますけ農園」の自然養鶏卵は1個80円(10個パック800円)、私が販売する無添加ハムは250グラムで1600円、ベーコン類は220グラム1000〜1200円で、一般市販品の2〜3倍の価格ですがほぼ売り切れます(残念ながら、保健所から常設冷凍設備を条件づけられたため、ソーセージ類をその場で焼いて販売に変更)。サンマ寿司の1パックも1000円と高額で、昼時に同じ場所でキッチンカーによる昼食販売があるにもかかわらず40〜50パックがはけ、来場者数からみればよく売れています。とはいっても、この規模では利益を生み出すことはほとんどできませんが・・・。

ビルの谷間の「ミニマルシェ」の存在意義  千代田区神田錦町3-21 「ちよだプラットフォームスクウェア」出店者は売上げよりもマーケティングやテスト販売の場として重視しており、社会経験が多く商品の品質を判断できる30〜40代のOL、都市在住高齢者の反応を見て、商品の品質改善、販売戦略の見直し等に活用しているようです。この小さな青空市への出店希望が増加している要因は、農漁村地域の人たちが直接都会のOLや主婦と接して、直にそのニーズを確かめたいという意識の表れなのでしょうね。

全国的な直売所ブームがあり、都会型マルシェがトレンドとなっていますが、現実の姿も直視しておくことが大切です。都内で最も人が集まる大規模マルシェも、いまでは優良生産者が出店しなくなったり、マルシェの規模が大きくなるにつれて新規出店者の出店料が高くなるなどの格差も生じていたり、ブローカー的な業者の出店が増えたりということも見受けられるようです。

ちよだ青空市のような、月1回の小規模マルシェが注目されるのは、利益はなくても前述のような利点がまだあるということでしょう。

Written by support on 6月 12th, 2012